今回はシーズンに突入した「花粉症」と、勘違いして悪化させてしまう「モーニングアタック」について書いてみようと思います。
スギ花粉は例年1月後半から徐々に飛び始めて、敏感な方はすでにきつい状態を迎えてしまっているのではないでしょうか?
長年医療現場で見て、患者さんがほとんぞ全員と言うほど勘違いしている上に、医師も含めて医療人は説明しないのが「モーニングアタック」です。(どちらかというと認識してない医療人が多いかも、、、一緒に仕事した薬剤師は数百人はいますがモーニングアタックを知っていた方の記憶はないので、、、)
アレルギーの反応の程度は人それぞれ違いますが、こじらせるかどうかは花粉の量以上に「モーニングアタック」と時間の概念を知っているかどうかにかかっていると言っても過言ではないかも知れません。
時間の概念はかなり難しいので、ここではメインの「モーニングアタック」について書いていきます。
ポイントは非常に簡単でわかりやすい現象ですが原理がちょっとだけ複雑ではあります。
今回は花粉症と関連付けるので鼻の症状で思い出していただきたいのですが、
起床して30分以内ぐらいに急に鼻水が止まらなくなったり、くしゃみが連発してしまったことはありませんか?
これが「モーニングアタック」です。
今日はすごく花粉あるのかな?なんて思いませんでしたか?
でもよく考えてください、
先程まで寝ていた時には出ていなかった鼻みず、起きただけなのに花粉が急に鼻に大量に入ってくるのでしょうか?もちろん、夜中に床に落ちている花粉はあるので多少舞い上がることはないとは言えませんが。
この反応は、花粉に限らず、風の時や、季節がらで鼻が乾燥しやすい時などにもよく見られる現象なので基本花粉そのものと関係ないと思ってください。
答えは、「自律神経の嵐」という現象が毎日ありその時にカラダの状態と連動して今回のテーマのようなモーニングアタックがあります。血圧などでも起床の立ち上がりに関係します。
先ずは下の図をご覧ください。
一日の時間の流れを図にしています。
自律神経の嵐の大まかな時間帯があり睡眠中の副交感神経優位から日中の交感神経優位の状態へ揺ら技ながら進んでいく時が一瞬カラダの中で嵐かのように乱れたかのようになる瞬間があるんです。
この時間帯のことを昔は下の図のように
彼そ誰時などとも言って鏡の境目のようにどちらとも付かない不安定な時間と表現してました。映画「君の名は」はこの辺の世界観を使って描かれてましたね。
1日を1年に置き換えても同じような感じになり、特に感情が乱れがちになる方が見受けられます。花粉症のピーク時としても重なってきますね。
では、そういう時間があるのはなんとなくわかっていただけたと思いますが、
なんで症状が出る時と出ない時があるのか?が問題ですね。
花粉症で考えてみると、
花粉症の方は、花粉が飛んできて鼻の粘膜につくと、花粉が爆発して内部のタンパクが鼻粘膜に接触することで、体は異物がやってきた!と先ずは鼻みずやくしゃみをして外に追い出そうとします。出てしまうとそれで終わりです。
しかし、なかなかそうはいかず、たくさん入って来ると粘膜がどんどん過剰に反応し始めて、充血してきます。この時点では内部が赤くなってきている程度でメインはアレルギー反応です。継続されると、昼間の交感神経が優位のの時や集中している時は気になりませんが、夜間やリラックスすると鼻が充血して詰まってしまいます。
どうしても鼻をかむので鼻はさらに刺激され粘膜の血管が切れてきて、徐々に炎症を起こし始めてきます。
この鼻の粘膜の血管が切れたり荒れたり炎症など、通常と違う違和感がある状態が継続され始めます。
そうすると、起床時に花粉が無くても鼻の粘膜が荒れていたり炎症があったりすると、交感神経に切り替え始めると、アレ?異物があるぞ!などと神経が勘違いして、慌てて追い出そうとします。
一気に鼻みずを放出し、くしゃみの勢いで外に追い出そうとします。
とは言っても、実際は花粉がついているわけではなく違和感や傷があるような状態なので、追い出せるわけもなく、約30分ほど続きます。
そうこうしている間に、交感神経へのシフトが完了して、脳と末端の指示系統が統合されてきます。そうすると落ち着く流れとなります。
でも実際は、皆さんもっとひどい状況で午前中もかなり鼻が出ていたりしませんか?そして夜中にはひどい鼻詰まりに・・・
これはモーニングアタックが起きている時の対処によって引き起こされています。
モーニングアタックは花粉ではないとお伝えしましたね。
なので鼻をかんでもなおるものではないのは何となくおわかりいただけるのではないでしょうか。
私も昔はそうでしたが、鼻の奥から根こそぎ鼻みずなど追い出したい!と言う衝動に駆られ思いっきり鼻をかんでしまいます。
でも何度間でも朝は無くなった感じはしないはずです。単に刺激され更に鼻水を出して追い出そうとされるだけです。
ここで、なんと無くわかってきた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
どうしたらいいのか?
はい、答えは非常にシンプルです。
「鼻をかまないこと」です。
30分ほど放っておくと勝手に止まります。
とは言っても鼻水は辛いでしょうから、圧をかけないで鼻水を入り口だけなんとんなく出す程度に留めて、回数を減らすようにチャレンジしてみてください。
もし耳鼻科などでステロイドの点鼻薬をもらっている方は、寝る前の点鼻をしっかりして、起床時には鼻をかむのを我慢してください。
日数は2日ではっきり結果が出ます。
私は昔から薬をお渡しするときにこのことを説明していました。ちゃんと試していただいた方は2日ほど我慢すると、症状がだいぶ軽くなるのを皆さん感じていました。
現在処方される点鼻薬はほとんどの医師は最高ランクの強さのものを出しますので2日で効果が出ない場合は、使い方が悪いか、ケアが間違っている可能性が高いです。
点鼻薬は鼻水が一旦鎮まる夜にしないと鼻水でただ流れて全く効きません。
鼻を思いっきりかんでしまうと、粘膜に炎症を起こしてしまいます。
この炎症は花粉症でもらう抗アレルギー薬では治りません。
花粉に対しての反応が弱まるだけです。
なので、日々悪化してひどい鼻詰まりと鼻水を繰り返してしまいます。
原理を理解するのは複雑ですが、
ポイントは、
鼻をかまない
かむ場合は力を入れない(空気を流す程度の感覚)
朝の30分我慢する
ただこれだけでいいんです。
一瞬辛いかも知れませんが、毎日悪化するより全然いいかと思われます。
花粉症の悪化は一種の生活習慣病とも言えます。
鼻のかみかたを気をつけるだけでこれだけ違いますので是非お試しいただきたいです。
他にも様々なテクニックはありますが、一番ダイレクトなケアはご自身でできますよ。
また、自分で気が付きづらいのが、肩こりですね。
テレワークや漠然とした不安でかなり肩こりが悪化している方が多いので、そうすると鼻周辺の血流が悪化して症状も悪化しやすいです。
とはいえかたをもむのは難しいですね。
私は自宅で首用の湯たんぽを使ったり、現在はCS60で腕の凝りをほぐすことで鼻が通っていきます。そちらが気になる方はキャンペーン期間に是非ご利用ください。
また、春の花粉症期間は1年間の中で脳のデトックス期間(マイナーチェンジ)として時間の科学としてご説明しております。この辺は次回ご説明できればと思います。
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